会社員時代

lovely flowers

今日は私の送別会でした。
もう専業主婦になって2ヶ月以上経つので、今になって送別会というのもちょっと不思議な感じなのですが、最後は有給休暇を消化していたため、実際の退職日は7月8日だったのです。


実は、退職の際、有給休暇を消化しようとして、会社の一部の上層部とかなりモメました。。。
私にしてみれば、労働基準法でも明文化されている労働者の当然の権利なので、何の問題もないと思って休暇申請したのです。
でも、会社の中には「法律でOKでも辞退しろ」と、ありとあらゆる圧力をかけてくる人たちがいて・・・
コンプライアンス法令遵守)企業を謳っていたのに、と思い、かなり失望しました。
でも、私はこれでも法学部卒。
法律で絶対に正しいことなのに、権力を笠に着た人たちにそれを捻じ伏せられるなんて、とてもじゃないけど許せません。
そこで、労働局の相談窓口に行ったり、労働基準法を調べたり、専門書(夫が買ってきてくれました)を読みこんだりと、出来る限りの理論武装をして、自分の正しいと思う主張を最後まで貫き通しました。


結果的には、私の主張は通り、有給休暇を全て消化して退職しました。
会社も、もし有給休暇申請を却下した場合、それが労働基準法違反になることは分かっていたのでしょう。
それでも圧力をかけ、それが私に効き目がないと分かると、せめて「嫌な思いをさせよう」とでも思ったのでしょうか、最後は見送ってもらえませんでした。
最終日には、花束をもらって、挨拶のスピーチをして、皆に見送られるのが慣例です。
私も今までたくさんの人をそうやって送別してきました。
でも、直属の上司はそれを許可しなかった。
そして、同じ部署の同僚や先輩も、上司には逆らえなかったのです。
残念ながら「円満退社」とは行かず、さすがにショックだったけれど、「最後だけ上司運がなかったわ!」と思うことにし、私は私なりにきちんとお世話になった方々にお礼を言って回ろう、と思いました。
お菓子やミニギフトを配りながら、笑顔でお礼と挨拶をして。
みなさんから温かい言葉をたくさんもらい、嬉しかったです。
自分なりにケジメがつけられて、良かったと思っています。


同僚たちは、会社の(と言っても一部の人たちですが)態度に一緒になって怒り、応援してくれました。
「ジハード(聖戦)です!」と言ってくれた後輩や、泣きながら書類をシュレッダーに入れるのを手伝ってくれた同期。
最終日、温かいメッセージを添えて、プレゼントをそっとデスクの上に置いていってくれた先輩。
元上司は、「なんで俺に相談しなかった」と言って、おいしいディナーに連れて行ってくれました。
最後日、帰り際にエレベーターに乗り込む私を走って見送りに来てくれた先輩。
私は、後輩のくせにプロジェクトマネージャーになって、その先輩の仕事にダメ出ししたこともあったのに・・・ 人って、分からないものです。
仲良しだった女の子達は、最終日に皆でディナーした後、花束とエプロンと食器をプレゼントしてくれました。
「私たちは分かっていますよ!お疲れ様でした!!」と言ってくれて。
帰り道、泣けてきて、家についてドアを閉めたとたん、大泣きしてしまいました。
夫は出張でニューヨークにいたので、ひとりで思い切りワァワァと・・・
色々な感情が、全部洗い流されていくようでした。
その後、だいぶたってから、色紙が2枚送られてきました。
お世話になった方々の温かいメッセージが裏までビッシリ。
実家に送られて来たので、母と一緒に見たのですが、「みんなに愛されてたじゃない」って母に言われて、あやうくまた泣いてしまうところでした。


夫にもかなり支えられました。
というか、彼がいなかったら、私はダメだったと思います。
冷静に、賢く、温かく、絶対的に私をサポートしてくれる夫が本当に頼もしかった。
最終日、さすがに取り乱して泣きながら出張先のホテルに国際電話をした私に、「君は正しいのだから、胸を張って会社を辞めていきなさい」と言ってくれて、どれだけ勇気づけられたか。
「この人は私の味方なんだ」と心底思えました。
それまで、何かあると親に相談していた私ですが、相談相手は自然と夫になっていて、結婚するってこういうことか、と改めて思いました。


最後いろいろありましたが、でも新卒以来8年と3ヶ月働かせてもらった会社のことは今も大好きです。
たまたま最後の上司運が悪かったり、一部の上層部がNGだっただけで。
でも彼らも、自分達の常識で、正しいと思うことをしていただけなのかもしれないですね。
会社は私に色々なものを与えてくれました。
快適な就業環境、高水準なお給料、総合職への職種転換のチャンス、憧れだった海外出張(いつもビジネスクラス!)、自由な発言が許される社風、様々な国の人たちとのミーティング、など・・・
私は会社が大好きで、いつも自分の仕事が誇らしかったです。
同僚にも上司(最後を除く)にも恵まれて・・・
本当にいい会社員生活を送れたと思っています。
それに、出向で来ていた今の夫に出会ったのも会社だったし!


というわけで、退職の話が長くなってしまいましたが、今日は送別会を開いてもらいました。
仲良しの同僚と私と夫で、20名弱だったでしょうか。
会社近くの居酒屋で、以前のように飲み、たわいのない話をして盛り上がって。
みんな忙しいのに大勢集まってくれて、嬉しかった。
最後は思いがけず花束をプレゼントされ、本当に感激・・・
可愛らしいたくさんのミニバラに加え、私の大好きなピンクオレンジ色のガーベラも入っています。
「主賓から一言!」なんて言われたので、「夫に出会えたこと以上に、皆さんと仲良くなれたことが一番の財産です」と言いました。
本当は夫に出会えたことが一番の収穫だったのかもしれませんが(笑)。


人生って、人との出会いと別れ、そしてその人間関係につきるのではないかと思います。
だから、会社で出会えた彼らとのご縁を、これからも大切にしていきたいです。


あぁ、なんて長い日記!(笑)