Museo de la Nacion (国立博物館)

今日もツーリストらしく博物館に出かけました。
英語のガイドブック"Lonely Planet"では、見所のベスト10に入っている博物館です。
土曜日だというのにガラガラで、ゆっくり見ることが出来ました。


展示品として目立つのは、とにかく酒器です。
インカの人々はお酒が大好きだったようです。
人間や動物、魚を果物をモチーフにした可愛らしいデザインが目を引きます。
特徴は、お酒を注いだときに「トクトク」と音が鳴らないように、お酒が通る管と空気が通る道を分けて設けていることです。
そのため、面白い形になっています。


酒器も織物も置物も壁画も、どれをとってもインカ独特の雰囲気があります。
なんというか、全体に丸みがあって暖かい感じ。
そしてデザインは、ちょっと子供っぽいほどに可愛らしく、色使いも結構ポップです。
今の時代でも全然通用する感じで、正直似たようなデザインの食器が欲しくなってしまったくらい。


またインカの人々は、情報の伝達手段として、紐に結び目をつくり、それを束ねていました。
その結び目は10進法になっているそうで、今のデジタルが0と1の二進法ってことを考えると、きっと遥かに複雑だったんだと思います。
でもその10進法を分かる人たちはその昔、皆スペイン人に殺されてしまったので、今ではもうあまり確かなことは分からないのだそうです。


昨日の天野博物館でも感じたことですが、インカの人々は、独自性あふれる素晴らしい文化を築いた誇り高き人々だったように思います。
それが、歴史の常とは言え、ある日突然現れた金目当てのスペイン人に皆殺しにされ、何もかも破壊されてしまって・・・
歴史って残酷です。
そう考えると、私たちの日本という国は、本当に幸運なのかもしれません。
第二次世界大戦で敗戦した時でさえ、外国語を強要されることなく、母国語と自国の文化を維持することが出来たのですから・・・
(まぁ、日本国憲法については色々議論の余地があるのでしょうが・・・)


なんてことをしみじみ思っていたら、博物館の人に声をかけられました。
若い青年です。
たぶん、こっちのイケメン君です。
ほとんど意思疎通できていないのですが、一生懸命展示物の説明をしてくれます。
そして、私の名前を聞いてきて、さらにメールアドレスも教えて、と言われてしまいました。
あら、また?
「ホテル ノーコンピューター」と訳のわからないことを言って教えませんでしたが、それにしてもすっかり調子に乗りそうになってしまった私なのでした。