いちばん大切なもの

今日は、高校時代の友人の家に遊びに行きました。
彼女はもうすぐ3歳になる男の子のママです。
その子がお気に入りのスフレチーズケーキを手土産に、紅茶を飲みながらのんびりおしゃべり。
とりとめない話の中で、最近は特に事件や事故が多くて怖いね、という話になりました。


今日は日航機墜落事故からちょうど20年目の日。
ドキュメンタリー仕立ての追悼ドラマが放映される予定ですが、彼女はとてもじゃないけれど見れない、と言います。
我が子を失う話など、母親として耐えられないというのです。


私は最近、自分で新しく家族を持ってみて、初めて分かる感覚があると実感しています。
結婚して以来、夫に何かあったらどうしよう、といつも怖くてならないのです。
正確には、結婚前に「この人だ」と思って夫と付き合い始めた時から、彼を失うことへの恐怖心をいつも持っています。
もちろん、両親も弟もかけがえのない大切な存在ですが、夫を失うことへの恐怖心の強さは、初めて経験する感覚なのです。
「自分の家族」を持つ、とはこういうことなのかと思いました。


夕食前まで友人とおしゃべりをして、旦那様が帰宅する前においとましました。
家に帰ると、毎度のことながら我が家はシンと静まり返りひと気がありません。
寂しいのもありますが、さらに少し怖い感じがします。


夜になり、日航機墜落事故のドラマが始まりました。
TBSとフジテレビと、時間をずらして2本放送していました。
私も見るのがつらい気がしていましたが、自然と見始め、結局合計4時間見続けてしまいました。


ドラマを見て、その4時間だけ涙を流すのは簡単なことです。
本当に、遺族の方々の苦しみは計り知れません。
月並みですが、亡くなった犠牲者の方々のご冥福を心からお祈りしたいと思います。
そして、遺族の方々の苦しみが少しずつでも癒えて、新しく幸せな人生を歩めますように。


事故、戦争、津波、震災、テロ、病気、殺人、自殺・・・原因は何であれ、愛する人を亡くすことは、この世で一番の苦しみだと思います。
これからの数十年間、自分の愛する人たちが皆元気で、幸せに、各々の寿命を全うすることは、実はすごく難しいことなのでしょうか。
どうすれば、そうすることができるのでしょうか。
ともすれば当たり前と思ってしまう今の幸せに、本当に感謝しなくては、と思いました。


夫が朝会社に行く時、出張に出かける時、いつも見送ったあと怖くなります。
もしもこれが最後になったら、なんて考えてしまって・・・
そういう私に「君はネガティブに考えるね〜」と笑って言う夫。
彼はもうすぐ、サンノゼから成田行きの飛行機に乗るはずです。
安全祈願をこめて、これから電話をしようと思います。


どうか、いつもいつでも、私のところに無事に帰って来て。